COLUMN — ローカルAI実践

BTOが届いたその日にローカルLLMを動かす完全手順【2026年版】

公開: 2026.03.30 | 更新: 2026.09.08広告・PR

最初にやることは、大きなモデルを選ぶことではない。
まず、自分のPCでローカルAIが動く状態をつくる。

ローカルLLMセットアップ手順を示すターミナル画面
※画像はイメージです。実際の製品・構成とは異なる場合があります。

高性能なBTOパソコンが届いた。RTX 5080やRTX 5090を搭載している。でも、そこから何をすればローカルLLMが動くのか分からない。

この記事では、そんな状態から実際にローカルモデルと会話し、GPUで処理されていることを確認するところまでを順番に進めます。

2026年現在、ローカルLLMを始めるために、最初からPython環境やCUDA Toolkitを手作業で構築する必要はありません。Ollamaのようなツールを使えば、モデルのダウンロードから実行までかなり簡単に始められます。

重要なのは、最初から最も大きなモデルを動かそうとしないことです。まず軽量なモデルで、

  1. GPUが認識されている
  2. Ollamaが動く
  3. モデルと会話できる
  4. GPUで推論できている

という4つを確認します。大きなモデルを選ぶのは、その後です。

1.結論:最初のゴールは「ローカルAIがGPUで動いた」にする

ローカルLLMを始めると、

  • 「何Bのモデルがいいのか」
  • 「量子化は?」
  • 「32GB VRAMなら何が動く?」
  • 「Open WebUIは必要?」

と、いきなり多くの選択肢が出てきます。しかし最初から全部理解する必要はありません。

最初のゴールはひとつです。自分のPCで、ひとつのローカルモデルが正常に動くこと。ここまで成功すれば、その後に、

  • もっと大きなモデルを試す
  • 日本語が得意なモデルを比較する
  • PDFや資料と会話する
  • APIから呼び出す
  • AIコーディングへ接続する

といくらでも発展できます。この記事では、まずその「最初の成功」まで最短距離で進みます。

2.今回の前提環境

この記事では主に以下の環境を前提にします。

  • Windows 10 / 11
  • NVIDIA GeForce RTX搭載PC
  • BTOまたは自作デスクトップ
  • Ollama

Ollama自体はNVIDIA以外の環境にも対応していますが、CORE SPECではRTX搭載PCを中心に説明します。

💡 ネットワーク接続に関する注意点

モデルのダウンロードにはインターネット接続が必要です。ローカルモデルのダウンロード後はローカル実行だけで利用することもできますが、Ollama Cloudなどのクラウドモデルや外部サービスとの連携を使う場合は通信が発生します。「Ollamaを使う=すべてが常に完全オフライン」ではありません。ローカル処理を重視する場合は、使用しているモデルと接続先を確認してください。

3.Step 1:まずGPUがWindowsから認識されているか確認する

最初に確認するのはLLMではありません。GPUです。

タスクマネージャーで確認

Ctrl + Shift + Esc からタスクマネージャーを開き、パフォーマンス → GPU を確認します。搭載したGPU名と専用GPUメモリ(例: 16.0 GB、32.0 GBなど)が表示されていれば、Windows側からGPUは正しく認識されています。

PowerShellから確認

より正確に確認するなら、PowerShellを開いて以下を実行します。

PS > nvidia-smi

GPU名、ドライババージョン、VRAM使用量などが表形式で表示されれば第一段階はクリアです。

⚠️ nvidia-smi が動かない場合

まずNVIDIAドライバを確認してください。BTOパソコンでは出荷時にドライバが入っていることが多いですが、初期化直後やモデルによって入っていない場合もあります。
重要なのは、CUDA Toolkitを手作業で入れ始める前に、まずGPUドライバとOllamaだけで試すことです。ローカルLLMを「使う」だけなら、開発環境を最初から複雑にする必要はありません。

4.Step 2:Ollamaをインストールする

次にOllamaを導入します。Ollama公式サイト(ollama.com)からWindows版をダウンロードし、インストーラーを実行します。

2026年現在のOllamaは、ターミナルだけのツールではありません。Windows / macOSにはデスクトップアプリがあり、以下の操作をGUIから始められます。

  • モデルのダウンロード
  • GUIチャット
  • ファイルを使った質問

インストール後、まずOllamaアプリを起動できれば準備完了です。ターミナルから確認したい場合はPowerShellで以下を実行します。

PS > ollama --version
ollama version x.x.x

バージョン番号が表示されれば、Ollamaが正常に利用できる状態です。

5.Step 3:最初は軽量モデルを1つ動かす

ここで重要なのは、自分のGPUで動く最大モデルを探さないことです。最初は動作確認用として、小さめのモデルをひとつ選びます。この記事では例として Gemma 3 4B を使います。

※モデルのラインナップは時期によって変わるため、「Gemma 3 4Bが絶対的なおすすめ」という意味ではありません。あくまでローカルLLM環境が正常に動いているか確認するためのテスト用モデルです。

GUIで始める場合

Ollamaアプリからモデルを選び、ダウンロードしてチャットを開始します。例えば、

「ローカルLLMが正常に動いているか確認するため、短い日本語で自己紹介してください」

と入力し、回答が返ってくればローカルモデルの起動は成功です。

CLI(PowerShell)で始める場合

PowerShellから以下を実行します。

PS > ollama run gemma3:4b

モデルが未ダウンロードなら自動的に取得され、その後に対話プロンプトが起動します。プロンプトが表示されたら、以下のように入力します。

>>> こんにちは。短く自己紹介してください。
こんにちは!私はローカル環境で動作する言語モデルです。文章の作成や要約、質問への回答などをお手伝いできます。

回答が返ってくれば成功です(終了時は /bye と入力します)。

6.Step 4:GPUが実際に使われているか確認する

「返事が来た」だけでは、GPUを十分に活用できているかまでは分かりません。別のPowerShellを開き、以下を実行してください。

PS > ollama ps
NAME SIZE PROCESSOR UNTIL
gemma3:4b 3.3 GB 100% GPU 4 minutes from now

実行中のモデルと、CPU/GPUへの配置状況を確認できます。小さなモデルでGPU側へ十分収まっている場合は、100% GPU と表示され、GPU中心で高速実行されます。

モデルが大きくVRAMへ収まりきらない場合は、CPU側へ一部処理が回ることがあります。ここで重要なのは、CPUを使ったら失敗なのではないということです。CPU offloadを使うことで、VRAM容量を超えるモデルでも低速ながら動作させることが可能です。

ただし、

  • 応答が極端に遅い
  • GPUへ載せたいのにCPU比率が高い
  • メモリ不足エラーになる

のであれば、モデルを小さくする、またはより大きなVRAM容量のGPUを検討するという次の判断へ進みます。

7.VRAMごとに「このモデル」と固定しない

ローカルLLMでは、「8GBなら4B」「16GBなら14B」「32GBなら32B」のような早見表をよく見かけます。しかし必要なVRAMは、パラメータ数(B数)だけでは決まりません。

  • 量子化(Q4_K_M, Q8_0, FP16等)
  • コンテキスト長(4k, 8k, 32k, 128k等)
  • KVキャッシュの消費量
  • モデルアーキテクチャ(Dense vs MoE)
  • GPUへ載せる割合(GPU Offload率)

によって、実際に消費されるVRAMは大きく変動します。したがってこのセットアップ記事では、最初の1モデルを動かすところまでに集中します。

自分のVRAMでどのモデルをどの程度動かせるのかを詳しく知りたい場合は、CORE SPECのローカルLLM完全ガイドまたはVRAM診断へ進んでください。

8.OllamaとLM Studioは「CLIかGUIか」だけの違いではなくなった

以前は「Ollama=CLI、LM Studio=GUI」と説明すると分かりやすい時期がありました。しかし2026年現在はOllamaにも洗練されたデスクトップアプリが提供されています。そのため現在は、次のように役割を整理する方が実態に合っています。

Ollamaが向いている人

  • とにかく手軽にローカルモデルを動かしたい
  • API(localhost:11434)から利用したい
  • Pythonスクリプトや自作アプリと接続したい
  • Claude CodeやCodex等のコーディングツールと接続したい
  • GUIとCLIを自由に行き来したい

LM Studioが向いている人

  • GUI上でHugging Faceの多数のモデルを探したい
  • モデルや量子化の違いを横並びで比較したい
  • ローカルモデルの管理を視覚的に行いたい
  • GUI中心でローカルAPIサーバーも動かしたい

どちらか一方だけに決める必要はありません。目的に応じて両方を使い分けるのが合理的です。

9.「動いた!」の次にできること

ローカルLLMが正常に動けば、PCは単なるチャットマシンではなく、ローカル推論基盤になります。

自分の資料と会話する(ファイルチャット・RAG)

Ollamaアプリではファイルを使ったチャットが可能です。さらに本格的なRAG(検索拡張生成)環境へ進みたい場合は、Open WebUIなどを組み合わせる方法があります。
ただし、「PDFを入れれば自動的に高精度な社内検索エンジンになる」わけではありません。文書量、埋め込みモデル(Embedding)、検索チャンク設計、コンテキスト長などによって回答精度は大きく変わります。

APIから呼び出す

Ollamaはバックグラウンド(http://localhost:11434)でローカルAPIを提供します。OpenAI APIと互換性のあるインターフェースが用意されているため、既存のPythonコードやアプリからローカルモデルを簡単に呼び出せます。「AIを使う」から「AIを自分のツールに組み込む」へステップアップできます。

AIコーディングへ接続する

現在のOllamaは、Claude CodeやCodexなどのコーディング支援ツールとローカルモデルを接続する仕組みも整っています。ただし、AIコーディングでは長大なコンテキスト長や推論能力が要求されるため、単純な短文チャットよりも必要VRAMが大きくなります。まず軽量モデルで環境を確認した後に進むのが安全です。

10.よくあるトラブル

Q. ollama コマンドが見つからない
PowerShellを一度閉じ、新しく開き直してください。それでも認識されない場合は、Ollamaのインストール状態や環境変数PATHを確認します。
Q. GPUが使われない(CPU動作になる)
NVIDIAドライバが正常に認識されているか確認します。また、モデルがGPUに収まらずCPU側へoffloadされている可能性もあるため、ollama ps でPROCESSOR欄を確認してください。
Q. 応答が極端に遅い
大きすぎるモデルを選んでいる可能性があります。まず軽量モデル(4Bクラス)へ戻し、環境自体に問題がないか確認してください。
Q. モデルが読み込めない(エラーで落ちる)
VRAMまたはシステムRAM不足の可能性があります。いきなりGPUを買い替えるのではなく、まずモデルサイズ、量子化タイプ、コンテキスト長を見直します。
Q. 日本語品質が期待ほど高くない
モデルごとに得意分野や学習データが異なります。「セットアップが成功しているか」と「モデルの回答品質の評価」は分けて考えてください。

11.ローカルAIで大事なのは「最大モデル」ではなく「自分の用途」

最初に軽量モデルが動いたとしても、すぐに最上位のRTX 5090が必要になるわけではありません。逆に、現在のGPUで、

  • 使いたいモデルがVRAMに収まらない
  • CPU offloadによって待ち時間が大きすぎる
  • 長大なコンテキストを扱いたい
  • RAGやコーディングエージェントを常用したい

という制約が実作業の中で明確に出てきたら、初めて上位GPUを比較します。

GPU選びは、「最大モデルを動かせるか」ではなく、「自分が実際にやりたい処理で、どの制約が残っているか」から考えてください。

12.結論:まず小さく動かし、自分のボトルネックを見つける

ローカルLLM環境は、以前より格段に簡単に構築できるようになりました。だからこそ、最初から最強スペックのPCや巨大モデルを選ぶ必要はありません。

  1. GPUを確認する
  2. Ollamaを入れる
  3. 軽量モデルを動かす
  4. GPU利用を確認する
  5. 自分の用途へ広げる

この順番で十分です。動く環境を先につくる。必要なスペックは、その後に見えてくる。これがCORE SPECのローカルLLMセットアップの考え方です。

よくある質問

ローカルLLMを動かすのにインターネット接続は必要ですか? +
モデル本体やランタイム等の初回ダウンロード時にはインターネット接続が必要です。ローカルモデルの推論自体は完全にローカル環境だけで動作可能ですが、Ollama Cloud等のクラウドモデルや外部サービスとのAPI連携を利用する場合は通信が発生します。「Ollamaを使う=すべてが常に完全オフライン」ではない点に注意してください。
OllamaとLM Studioはどちらがおすすめですか? +
手軽にローカルモデルを動かしたい方や、API経由でアプリ・AIコーディングと連携させたい方にはOllamaが向いています。一方、GUI上で多数のモデルを視覚的に探索・比較・管理したい方にはLM Studioが向いています。両方をインストールして用途に応じて使い分けることも可能です。
RTX 5060(8GB)でもローカルLLMは動きますか? +
はい。モデルや量子化、コンテキスト長によって異なりますが、8GB VRAMでも軽量な量子化モデルを使ってローカルLLMの動作確認や対話を始められます。より大きなモデルや長いコンテキストを常用する場合は、必要VRAMを個別に確認してください。

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