COLUMN — ローカルAI

ローカルLLMに
必要なPCスペックは?

公開: 2026.03.20 | 更新: 2026.09.13広告・PR

Llama 3.1・DeepSeek・Gemma — モデル規模別の必要VRAM・GPU・メモリを完全網羅。

ローカルLLMに必要なPCスペック — GPU・VRAM・メモリ完全ガイド
※画像はイメージです。実際の製品・構成とは異なる場合があります。

ローカルLLMに必要なPCスペックは、主に「モデルサイズ」「量子化方式」「コンテキスト長」で決まります。小型の量子化モデルなら比較的小さなVRAMでも動作しますが、本格的に使うなら16GB前後、32B級では20GB前後、70B級では32GBを超えるVRAMが必要になるケースがあります。

詳細な必要量はモデルによって変わるため、まず以下の早見表から自分の用途・規模に合った必要スペックを確認してください。

結論:ローカルLLMに必要なPCスペック早見表

FP16(無圧縮)では10億パラメータあたり約2GBのVRAMが必要。4bit量子化で約1/4に削減可能です。

モデル サイズ FP16 VRAM 4bit VRAM 推奨メモリ 推奨GPU / 構成
Phi-4 Mini3.8B8 GB3 GB16 GBRTX 5060
Llama 3.1 / Gemma 38-12B18 GB5 GB16-32 GBRTX 5060-5070
Qwen 2.5 / DeepSeek-R132B66 GB20 GB32-64 GBRTX 5080-5090
Llama 3.170B148 GB~45 GB64-128 GBRTX PRO 6000 96GB / RTX 5090×2 / Mac 128GB級
Mixtral 8x22B (MoE)141B281 GB85 GB128 GB+マルチGPU / Mac 128GB
Llama 3.1405B824 GB230 GB1 TB+エンタープライズ

※Mac側は旧世代M4 Maxの参考ベンチです。現行M5 Ultraの仕様・RTX 5090との選び分けはMac Studio M5 UltraとRTX 5090の比較記事で解説しています。

ローカルLLM用PCを選ぶときに見るべき7つのポイント

ローカルLLM用PCを選ぶとき、GPUの型番だけを見ても最適な構成は決まりません。

RTX 5090の方が速い。
RTX PROの方がVRAMが多い。
MacならUnified Memoryが大きい。
どれも事実ですが、重要なのは、
自分が扱いたいモデルを、どのように動かすのか
です。

CORE SPECでは、ローカルLLM用PCを見るときは次の7項目を順番に確認することをおすすめします。

1. 最初に見るのはGPU性能よりVRAM容量

ローカルLLMでは、まず「モデルがメモリへ収まるか」が大きな境界になります。
同じGPUでも、VRAM容量が足りなければモデル全体をGPUへ載せられず、CPU側のRAMへ一部を逃がす必要が出てきます。

そのため、
最新世代かどうか
より、
必要なモデルがVRAMへ収まるか
を先に確認します。

16GB、24GB、32GBでは扱える余裕が変わりますが、これらを固定的なモデルサイズの境界と考えない方が安全です。
実際に必要なVRAMは、

  • モデルサイズ
  • 量子化方式
  • Context Length
  • KV Cache
  • 同時実行数

などで変わります。
上の早見表を「おおまかな入口」として使い、実際に利用するモデル仕様から逆算してください(モデルごとの詳細な必要量は無料のVRAM診断ツールでもシミュレートできます)。

2. モデルの「B」だけではなく、量子化とContext Lengthを見る

「8Bなら軽い」「70Bなら重い」という理解は入口としては正しいですが、実際の必要メモリはパラメータ数だけでは決まりません。

FP16なのか。
8bitなのか。
4bitなのか。
さらにContext Lengthをどこまで伸ばすのか。
同時に何Session動かすのか。
ここで必要メモリは変わります。

つまり、
モデル名ではなく、実際に使う形式まで決めてからPCを選ぶ
のが基本です。

大きなモデルを低bit量子化して載せるのか。
小さめのモデルを高精度で高速に回すのか。
この違いによって最適なGPUも変わります。

3. システムRAMは「VRAMに入らなかった時の余白」まで考える

ローカルLLMではGPUのVRAMだけでなく、PC本体のRAMも重要です。
GPUへモデル全体を載せられる構成でも、

  • OS
  • AIアプリ
  • モデル読み込み
  • Data Processing
  • 複数アプリ併用

でRAMを使用します。
さらにCPU Offloadを使う場合は、RAM側へモデルの一部を置くことになります。

目安としては、

  • 小〜中規模モデル中心なら32GBから
  • ローカルLLMを本格運用するなら64GBを検討
  • 大型モデルやOffloadを多用するなら128GB以上も選択肢

という考え方が分かりやすいでしょう。
ただしRAMを増やせばGPU推論が自動的に高速になるわけではありません。
RAMは主に、
扱える構成の余裕を増やすもの
と考えます。

4. SSDは速度だけでなく「モデルを何本置くか」で決める

ローカルLLMでは意外にストレージを消費します。

  • モデル本体
  • 異なる量子化版
  • Embedding Model
  • Reranker
  • Dataset
  • Fine-tuning用データ
  • Application

これらを複数保存していくと、容量は徐々に増えていきます。
そのためローカルLLM用PCでは、
1TBでぎりぎり運用するより、2TBを基準に考える
方が余裕を持ちやすくなります。
多数のモデルやDatasetを常時保持するなら4TBも選択肢です。

一方、モデルの読み込み時間を除けば、推論中の性能はGPUやメモリ側の影響が大きいため、
ローカルLLMだから最上位Gen5 SSDが必須
というわけではありません。
容量、価格、発熱、M.2スロット数まで含めて判断してください。

5. CPUはGPUより優先度が低い。ただし不要ではない

GPUへモデルの大部分を載せて推論する構成では、一般にCPUよりGPU・VRAMへ予算を優先する方が効果的です。
ただしCPUも、

  • Tokenization
  • Data Processing
  • CPU Offload
  • 複数Applicationの同時実行
  • モデルの読み込みや前後処理

などに関わります。
そのため、
最上位CPU+小容量VRAM GPU
より、
十分なCPU+必要VRAMを満たしたGPU
の方がローカルLLM用途では合理的なケースがあります。
PC全体の予算を考えるときは、この優先順位を意識してください。

6. 電源と冷却は「長時間動かす」前提で考える

Local LLMはBenchmarkを一度回して終わる用途とは限りません。
Inference Serverとして長時間動かしたり、Batch処理を続けたりすることがあります。

高性能GPUを長時間使うなら、

  • PSU容量
  • Case Airflow
  • GPU周辺温度
  • SSD温度
  • Noise

まで制作環境の一部です。
瞬間的な最大性能だけではなく、
その性能を安定して出し続けられるか
を見ます。
これは業務利用になるほど重要です。

7. 最後に「増やせるPCか」を確認する

AI環境は変化が速いため、購入時点で完成形を決め切るのが難しい分野です。
だからこそ、

  • RAM Slot
  • 最大RAM容量
  • 空きM.2 Slot
  • PSU容量
  • GPU Clearance
  • PCIe Slot
  • Cooling Capacity

を確認しておく価値があります。
最初は64GB RAM+2TB SSDで始め、必要になったら128GB RAMや追加SSDへ拡張する。GPUも将来交換する。そうした余白があるPCは、モデル世代が変わっても使い続けやすくなります。

ローカルLLM用PCの判断表

やりたいこと 最初に見るポイント 次に確認するもの
小〜中規模モデルを試す必要VRAMが収まるかGPU比較
32B級などを本格利用VRAM+RAMの余裕24GB / 32GB級GPU
PCを丸ごと新調するGPU・RAM・SSDのバランスBTO購入ガイド
大型モデルを常用する32GBを超えるVRAM領域RTX PRO / Workstation

重要なのは、
最も速いGPUを買うことではなく、自分のモデルが無理なく収まる構成を選ぶこと
です。


2. GPU別ベンチマーク:トークン生成速度

LLMの推論速度は、モデルサイズや量子化方式、GPU性能など複数の要因で変わりますが、メモリ帯域幅の影響も大きく受けます。

GPU 8B (Q4) 70B (Q4) 帯域幅
RTX 5090 (32GB)213 tok/s35-42 tok/s (2枚)1,792 GB/s
RTX 5080 (16GB)170 tok/s2.4 (オフロード)960 GB/s
RTX 5070 Ti (16GB)110 tok/s1.5 (オフロード)896 GB/s
RTX 4090 (24GB)128 tok/s20-25 (2枚)1,008 GB/s
M4 Max (128GB) ※旧世代参考値45-60 tok/s14-17 tok/s546 GB/s

現行Mac Studio(M5世代)仕様

構成 Unified Memory メモリ帯域 詳細比較
M5 Max最大128GB最大614 GB/sRTX比較へ →
M5 Ultra最大512GB1.2 TB/sRTX比較へ →

※M5 Ultraは2026年9月7日時点では発売前のため、本記事では推測によるtok/sを記載していません。M5 Ultraの仕様・選び分けの詳細はMac Studio M5 UltraとRTX 5090の比較記事をご覧ください。

注目ポイント: 32Bクラスでは、16GB VRAMに収まりにくい構成が増えます。モデルの一部をCPU RAMへオフロードすると、GPU内に収まる場合と比べて速度が大きく低下することがあります。そのため、大規模モデルを扱うほど24〜32GBクラスのVRAMが有利になります。


3. 量子化とは?モデルを軽量化して必要メモリを減らす

量子化は、モデルの重み(パラメータ)を低精度で表現し、VRAMと引き換えに品質をわずかに犠牲にする技術です。

手法 VRAM削減 品質保持 速度 対応ツール
GGUF (Q4_K_M)75-85%良好Ollama, llama.cpp
GPTQ (4bit)70-75%良好vLLM, AutoGPTQ
AWQ70-75%非常に高いvLLM, LM Studio
EXL260-90%最高ExLlamaV2

量子化方式やモデルによって品質・速度への影響は異なりますが、4bit量子化(Q4_K_M)などは実用的なバランスとしてよく用いられます。


4. 推論 vs ファインチューニング — 必要スペックが全く違う

※バッチ推論やファインチューニングなどGPUへ長時間負荷が続く用途では、GPU選定と合わせて「ローカルLLMにおける排熱・冷却設計ガイド」もご確認ください。

「動かす(推論)」と「教える(学習)」では、必要なVRAMが2-10倍違います。

処理内容 7Bモデル VRAM 70Bモデル VRAM
推論(4bit量子化)~5 GB~45 GB
QLoRA学習(4bit)12-16 GB60-80 GB
LoRA学習24-32 GB200 GB+
フルファインチューニング100-120 GB1,000 GB+

QLoRAは、学習時のVRAM使用量を抑える代表的な手法です。推論より多くのメモリを必要としますが、フルファインチューニングと比べて必要なVRAMを抑えやすく、単体GPUでも扱えるモデルの範囲を広げられます。


5. おすすめツール4選

🥇 Ollama — 最も簡単

コマンド一つでモデル起動。NVIDIA/AMD/Apple Silicon対応。ollama run llama3.1 だけで動く。

🥈 LM Studio — 最高のGUI

Hugging Faceのモデルを検索→ダウンロード→チャットまでGUIで完結。初心者に最適。

🥉 llama.cpp — 最も柔軟

GGUFフォーマットの総本山。CPU推論も高速。GPUとRAMの配分を細かく制御可能。

vLLM — プロダクション向け

継続的バッチングで複数人同時アクセスに強い。APIサーバー構築のデファクト(Linux推奨)。


6. Mac vs Windows — どちらがLLMに強い?

2026年のローカルLLMは「速度のNVIDIA vs 容量のApple」という構図です。

比較項目 Windows + RTX 5090 Mac M4 Max (128GB) ※旧世代参考
8Bモデル速度213 tok/s45-60 tok/s
70BモデルVRAM不足(1枚では不可)14-17 tok/s
ファインチューニングCUDA + QLoRAMLXなど対応拡大中
静音性高負荷時ファン音あり静音性に優れる
電力数百W(構成による)省電力

🎯 選択の指針

Mac → 70B超の巨大モデルを省電力・静音で1台にまとめたい人

Windows → 8-32Bモデルを超高速で動かしたい人、ファインチューニングしたい人、APIサーバーを立てたい人


7. 運用コスト:API vs ローカル

ローカル環境とAPIのどちらが低コストかは、利用頻度、使用するモデル、API料金、電気料金、PCの購入価格によって変わります。利用頻度が低い場合はクラウドが合理的なこともあります。一方、継続的に大量の推論を行う場合は、ローカル環境の方がコストを予測しやすくなる場合があります。

※詳しい比較は上の「ローカルLLMはChatGPT・Claudeの代わりになる?」の記事をご参照ください。


おすすめ構成3パターン

小型モデル中心

  • 8B前後のモデル
  • VRAM 12〜16GBクラス
  • RAM 32GB〜

32Bクラスを視野に入れる

  • VRAM 24〜32GBクラス
  • RAM 64GB〜

70Bクラスを本格的に扱う

  • RTX PRO 6000 96GB
  • 複数GPU構成
  • 大容量Unified Memory
  • RAM 128GB〜

結論:ローカルLLM時代のPC選び

8B前後の小型モデルを試す

12〜16GBクラスのVRAMでも始めやすいです。

32Bクラスまで視野に入れる

VRAM 24〜32GBクラスが扱いやすいです。

70BクラスをGPU上へ多く載せたい

RTX 5090など一般向けGPU1枚では不足しやすく、RTX PRO 6000 96GB、複数GPU、大容量Unified Memoryなどが検討対象になります。

ファインチューニングを行う

推論時よりもさらに大きなVRAM・RAM容量を見込んでおく必要があります。



よくある質問

ローカルLLMを動かすにはVRAM何GBのGPUが必要ですか? +
必要VRAMはモデルサイズ、量子化方式、コンテキスト長によって変わります。8Bクラスの4bit量子化モデルなら8GB前後でも動かせますが、12〜16GBあると余裕があります。70Bクラスは4bit量子化でも32GBを超えることが多く、RTX 5090 1枚では不足しやすくなります。単体NVIDIA GPUで扱いたい場合は96GB VRAMを搭載するRTX PRO 6000、その他に複数GPUや大容量Unified Memoryなどが選択肢になります。
メインメモリ(RAM)だけでもローカルLLMは動きますか? +
CPUとメインメモリだけでも、GGUF形式などの量子化モデルを動かせます。小型モデルであれば実用的に使える場合もありますが、モデルが大きくなるほど応答速度は低下しやすくなります。速度を重視するなら、可能な範囲をGPUへオフロードできる環境が有利です。
MacとWindows、ローカルLLMにはどちらが向いていますか? +
Apple Silicon搭載Macは、大容量のユニファイドメモリをCPUとGPUで共有できるため、一般的な単体GPUのVRAM容量を超えるモデルを扱いやすい点が強みです。一方、NVIDIA GPU搭載Windows PCは、CUDA対応ツールの多さ、GPU推論速度、生成AIや3DCGとの併用で有利です。大容量モデルを載せることを優先するか、速度と対応ツールを優先するかで選びます。
RTX 5090 1枚で70Bモデルを動かせますか? +
70Bクラスの4bit量子化モデルをRTX 5090のVRAM 32GBへ完全に収めることは、一般的には困難です。CPU RAMへ一部オフロードすれば動かせる場合がありますが、速度や設定上の制約が生じるため、96GB VRAMを搭載するRTX PRO 6000や、複数GPU、大容量Unified Memory環境などが選択肢になります。
動かした後にAIアプリへ発展させるには
ローカルLLMをAPIとして利用し、自作RAGやAIアプリ開発に進む手順を解説しています。
ローカルLLMからAI開発への手順を見る →

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