一番重いソフトではなく、同時に何を動かすかでPCを考える
VTuberやストリーマーのPC選びは、一つのソフトウェアの推奨スペックを見るだけでは失敗します。ゲーム、OBSでの配信と録画、Live2Dなどのトラッキング、Discord、ブラウザなど、複数の処理が裏で同時に動くため、「同時処理量」が環境の負荷を決めるからです。
想定ペルソナ:VTuber・ストリーマー
ゲームプレイと同時に、OBSによるエンコード、Live2Dアバターのトラッキング、Discordの通話、多数のブラウザタブを同時実行するストリーマー。GPU性能だけでなく、並列処理を支えるCPUと大容量メモリが必要になります。
あなたはどのタイプ?
TYPE 1|雑談・軽量ゲーム・2D配信
主な制作:OBS / Live2D / ブラウザ / 軽量ゲーム
構成目安:RTX 5060〜5060 Tiクラス / 32GB RAM / 1〜2TB SSD
TYPE 2|ゲーム+配信+録画
主な制作:重量級ゲーム / OBS / 録画 / Live2D / Discord等を同時実行
構成目安:RTX 5070クラス / 32〜64GB RAM / 2TB SSD
TYPE 3|3D・演出・複数入力
主な制作:3Dアバター / VRChat / Unreal Engine / TouchDesigner / 複数カメラ等
構成目安:RTX 5080クラスを中心に考える。
※RTX 5090は、複数の重量級処理を1台へ集中させる場合の追加比較対象です。
3タイプ比較表
| クリエイタータイプ | 主な制作 | GPU | RAM | 環境設計 |
|---|---|---|---|---|
| TYPE 1 2D配信・軽量 |
OBS、Live2D、ブラウザゲーム | RTX 5060 ~ 5060 Ti | 32GB | 1~2TB SSD |
| TYPE 2 ゲーム+録画 |
重量級ゲーム、OBS、録画同時 | RTX 5070 | 32GB ~ 64GB | 2TB+ SSD / 録画用分割 |
| TYPE 3 3D・演出 |
3Dアバター、VRChat、複数入力 | RTX 5080 | 64GB | キャプチャーボード・高速Network |
配信PCはGPUだけでは決まらない
ゲームのフレームレートを出すためにはGPUが重要ですが、「それを安定して視聴者に届ける」ためには、PC全体のバランスが問われます。
Encoding (エンコード)
OBSでの配信・録画には、GPU内蔵のハードウェアエンコーダー(NVENCなど)を使用するのが主流です。ゲーム配信では、NVENCなどのハードウェアエンコーダーを活用できるGPUを選ぶと、CPU負荷を抑えながら配信しやすくなります。
CPU
GPUがエンコードを担当するとはいえ、ゲームの物理演算、Discordの音声処理、Live2Dのトラッキング制御など、裏では多くの処理がCPUに依存しています。同時処理が増えるほど、Core i7やRyzen 7以上のマルチコアCPUが安定性に寄与します。
MEMORY (メモリ)
ブラウザのタブを数十個開き、ゲームとOBSとアバターソフトを同時に起動すると、メモリはすぐに消費されます。現在の配信環境では32GBがスタートラインであり、TYPE 2や3のように録画や3Dソフトを挟む場合は64GBあると「メモリ不足による配信カクつき」を防げます。
STORAGE (ストレージ)
長時間の録画データを保存する場合、大容量のストレージが必要です。OS・ゲーム用と、録画データ保存用でSSDを物理的に分ける(あるいは大容量HDDを追加する)ことで、書き込み遅延や容量圧迫のリスクを減らせます。
I/O と Network
複数のカメラ、マイク、オーディオインターフェース、キャプチャーボードを接続するためには、マザーボードのUSBポート数やPCIeスロットの空きが重要です。また、配信の生命線であるネットワークは、安定した有線LANを基本とし、複数のネットワーク処理や大容量データ転送まで考える場合は2.5GbE対応も選択肢になります。
Silence (静音性)
配信中にPCのファンが爆音で回ると、マイクにノイズとして乗ってしまいます。静音性を意識したケース・ファン・冷却設計を選ぶことは、配信の音質向上にも繋がります。