結論:迷ったら2TB、制作を本格化するなら4TBも検討
SSD容量の目安は、次のように考えると分かりやすくなります。
🟢 1TB
- 一般作業
- ゲーム数本
- 軽い画像制作
🔵 2TB
- ゲームを複数保存
- 生成AIの標準
- 4K動画編集
- 3DCG制作
🟣 4TB
- 大量のAIモデル
- 動画素材のストック
- 大容量キャッシュ
8TB以上
大規模映像・AIデータセット・業務用ワークステーション向け
一般作業やゲーム中心なら1TBでも始められます。ただし、生成AI、動画編集、3DCG、TouchDesignerなどを本格的に扱う場合、CORE SPECでは2TBを最も選びやすい標準容量と考えます。大量のモデルや映像素材をローカルに保存する場合は、4TBまたは複数SSD構成も検討してください。
SSDは、購入時点でデータが収まる容量ではなく、数年間使っても余裕を残せる容量を選ぶことが重要です。
1.SSDの表記容量をすべて自由に使えるわけではない
1TBのSSDを購入しても、制作データの保存に1TBすべてを使えるわけではありません。SSDには、次のようなデータも保存されます。
- WindowsなどのOS
- アプリケーション
- 回復領域
- Windows Update用ファイル
- ブラウザやアプリのキャッシュ
- 一時ファイル
- ページファイル
- 生成AIや編集ソフトのキャッシュ
- ダウンロードしたインストーラー
さらに、SSDは空き容量が少なくなると、製品や書き込み条件によって性能が低下する場合があります。OS更新やキャッシュのためにも、一定の空き容量を残して運用してください。
例えば、現在500GBを使用しているからといって、1TBを選べば長期間安心とは限りません。今後追加するゲーム、AIモデル、動画素材、バックアップまで考慮すると、2TBの方が現実的な場合があります。なお、HDD、SATA SSD、NVMe SSDの速度や役割の違いについては別記事で解説しています。
2.SSD 1TBで足りる人
1TBは、現在の一般的なPCで採用されることが多い容量です。以下のような用途なら、1TBでも十分に使える可能性があります。
- Officeやブラウザが中心
- 写真や書類をクラウドへ保存する
- ゲームを数本だけインストールする
- PhotoshopやIllustratorを軽く使う
- 軽量な画像生成を試す
- 完了したデータを外付けストレージへ移動する
- 予算をGPUやメモリへ優先したい
1TBでも、生成AIや動画編集を始めることは可能です。ただし、複数の大容量ゲーム、AIモデル、動画素材を同じSSDに保存すると、早い段階で整理や削除が必要になる可能性があります。
1TBを選ぶ際の注意点
1TB構成では、OS・アプリ・制作データをすべて同じドライブに保存するケースが多くなります。そのため、次のような運用が必要です。
- 使わないゲームを削除する
- 完了した案件を外付けSSDやHDDへ移す
- 生成した画像や動画を定期的に整理する
- 使用しないAIモデルを削除する
- クラウドストレージを併用する
整理の手間を避けたい人や、数年間増設せず使いたい人には、2TBの方が向いています。
3.SSD 2TBが最も選びやすい人
2TBは、ゲーム、生成AI、動画編集、3DCGなどを扱う人にとって、最もバランスのよい容量です。以下のような用途に向いています。
- 大容量ゲームを複数インストールする
- Stable DiffusionやComfyUIを使用する
- 複数のチェックポイントやLoRAを保存する
- 4K動画を編集する
- BlenderやTouchDesignerを使用する
- 写真や映像素材をローカルに保存する
- 仕事とプライベートを同じPCで行う
- 購入後すぐに増設したくない
2TBあれば、OSやアプリを保存したうえで、制作データにも比較的余裕を持たせられます。ただし、動画生成AI、大量の4K素材、複数のローカルLLMモデルなどを扱うと、2TBでも不足する場合があります。
CORE SPECの推奨
用途がまだ完全に決まっていない場合でも、クリエイター向けPCや生成AI向けPCでは、2TBを基準に考えることをおすすめします。1TBから2TBへの変更でGPUを大幅に下げる必要がある場合は別ですが、予算内で選べるなら2TBは後悔しにくい容量です。
4.SSD 4TBが必要な人
4TBは、単に「余裕が欲しい人」だけでなく、大容量データを日常的に扱う人向けの容量です。以下のような用途では4TBが候補になります。
- 4K・8K映像素材を大量に保存する
- 動画生成AIをローカルで使用する
- ComfyUIのモデルやワークフローを多数管理する
- Stable Diffusion、Fluxなどを併用する
- 複数のローカルLLMモデルを保存する
- 3DCGやHoudiniのキャッシュを大量に生成する
- RAW写真を大量に保存する
- 完了前の複数案件を同時に保持する
- 外付けストレージへの移動回数を減らしたい
特に映像制作や生成AIでは、完成データだけでなく、作業中の一時ファイルやキャッシュが容量を消費します。最終成果物だけを見て必要容量を判断すると、不足しやすくなるため注意してください。
4TBを1枚で搭載するか、複数SSDに分けるか
4TBのSSDを1枚搭載する構成には、管理が簡単で、M.2スロットを温存しやすいメリットがあります。一方、2TBを2枚搭載すれば、OS・アプリと、素材・キャッシュを分けて管理できます。どちらが適しているかは、マザーボードのM.2スロット数、バックアップ方法、将来の増設計画によって変わります。
5.8TB以上を検討すべき人
8TB以上は、一般的な個人向けPCというより、ワークステーションや業務環境に近い領域です。以下のようなケースで検討します。
- 8K・RAW映像を扱う
- 大規模な映像案件を複数並行する
- AI学習用のデータセットを保存する
- 動画生成AIのモデルと出力を大量に保持する
- 複数のローカルLLMを保存する
- Houdiniなどで大規模キャッシュを生成する
- NASやサーバーを使わずPC内にデータを集約する
- データ移動による作業停止を避けたい
ただし、8TBを1台のPCへ集約すると、故障時に失うデータも大きくなります。SSD容量を増やすことと、バックアップを取ることは別の問題です。重要なデータは、外付けストレージやNAS、クラウドなどへ複製してください。
6.用途別SSD容量の目安
| 用途 | 最低限 | 推奨 | 大規模用途 |
|---|---|---|---|
| 一般作業・Office | 500GB | 1TB | 2TB |
| ゲーム | 1TB | 2TB | 4TB |
| ゲーム配信 | 1TB | 2TB | 4TB |
| Photoshop・Illustrator | 1TB | 2TB | 4TB |
| 4K動画編集 | 1TB | 2〜4TB | 4TB以上 |
| 8K・RAW映像 | 2TB | 4TB | 8TB以上 |
| After Effects | 1TB | 2〜4TB | 4TB以上 |
| Blender・3DCG | 1TB | 2TB | 4TB以上 |
| Houdini・シミュレーション | 2TB | 4TB | 8TB以上 |
| Stable Diffusion・Flux | 1TB | 2TB | 4TB |
| ComfyUI | 1TB | 2〜4TB | 4TB以上 |
| 動画生成AI | 2TB | 4TB | 8TB以上 |
| ローカルLLM | 1TB | 2〜4TB | 4TB以上 |
| TouchDesigner・VJ | 1TB | 2TB | 4TB |
| VTuber配信 | 1TB | 2TB | 4TB |
この表はあくまで目安です。同じ「動画編集」でも、素材の解像度、コーデック、案件数、保存期間によって必要容量は大きく変わります。
7.生成AIは何にSSD容量を使うのか
生成AI用PCでは、アプリ本体よりも、モデルや出力データが容量を消費します。
画像生成AI
Stable DiffusionやComfyUIでは、次のデータが蓄積します。
- チェックポイント
- LoRA
- VAE
- ControlNet
- アップスケーラー
- カスタムノード
- Python環境
- 生成画像
- 一時ファイル
- プレビューやキャッシュ
複数のモデルを試しているうちに、数百GB規模になることもあります。
動画生成AI
動画生成では、画像生成よりも容量消費が大きくなりやすい傾向があります。
- 動画生成モデル
- 入力画像や映像
- 中間フレーム
- 一時ファイル
- アップスケール前後のデータ
- 完成動画
- 複数バージョンの書き出し
動画生成AIをローカルで本格的に使うなら、2TBを最低ラインとして、4TB以上も検討したいところです。
ローカルLLM
ローカルLLMでは、使用するモデル数とモデルサイズが容量を左右します。
- 量子化モデル
- 埋め込みモデル
- 音声・画像対応モデル
- ベクトルデータベース
- 開発環境
- 複数バージョンのモデル
- 学習・追加学習用データ
1つのモデルだけを使用するなら1TBでも始められますが、複数モデルを比較・検証する場合は2TB以上が扱いやすくなります。
関連記事:ローカルLLMに必要なPCスペック
8.SSDは1枚構成と2枚構成のどちらがよいか
SSD容量だけでなく、ドライブをどのように分けるかも重要です。
2TB×1枚
メリット:
- 構成がシンプル
- M.2スロットを温存できる
- 管理が簡単
- 初期費用を抑えやすい
デメリット:
- OSと制作データが同じドライブになる
- 故障時の影響範囲が大きい
- キャッシュや素材を分離できない
一般用途や、初めてクリエイターPCを購入する人には、2TB×1枚が選びやすい構成です。
1TB+2TB
用途例:1TB(OS、アプリ)、2TB(素材、AIモデル、キャッシュ)
メリット:
- データを役割別に整理しやすい
- OS再インストール時に制作データを分離できる
- 作業ドライブを独立させられる
デメリット:
- M.2スロットを2つ使用する
- 合計価格が高くなる場合がある
- ドライブ管理が必要
2TB+4TB
生成AI、映像制作、3DCGを本格的に扱う人向けです。
- 2TB:OS、アプリ、現在のプロジェクト
- 4TB:モデル、素材、キャッシュ、データセット
ただし、M.2スロットを複数使用するため、購入前にマザーボードの拡張性を確認してください。
9.SSDとHDDは併用すべきか
SSDが高速だからといって、HDDが完全に不要になるわけではありません。役割を次のように分けると、コストを抑えながら快適な環境を作れます。
SSDへ保存するもの
OS、アプリ、作業中のプロジェクト、AIモデル、動画素材、キャッシュ、ゲーム、頻繁に使用するデータ。
HDDへ保存するもの
完了済みプロジェクト、長期保管データ、使用頻度の低い素材、バックアップ、過去案件のアーカイブ。
理想は、「作業用SSD + 保管用HDDまたはNAS」という構成です。SSDとHDDの速度、用途、規格の違いについては、「重いデータを扱う人こそ知るべきSSDの真実」で詳しく解説しています。
10.BTO購入時にSSD容量をどう選ぶか
BTOパソコンでは、標準構成が1TBになっている製品が多くあります。一般用途なら問題ありませんが、クリエイター用途では、注文時に2TB以上へ変更する価値があります。確認したいポイントは次のとおりです。
- 標準SSDの容量
- 2TB・4TBへの変更価格
- 2台目のSSDを追加できるか
- M.2スロットの空き数
- SSDのメーカーや型番
- Gen4かGen5か
- ヒートシンクの有無
- 後から自分で増設できるか
- 増設時の保証条件
SSD容量だけを増やすのではなく、GPU、メモリ、SSDの予算配分も考える必要があります。ゲーム中心なら、GPUを大幅に下げて4TBを選ぶ必要はありません。一方、生成AIや動画編集で1TBではすぐ不足すると分かっているなら、購入時に2TBまたは4TBを選ぶ方が、後から増設する手間を減らせます。
関連記事:AI・クリエイターPCの選び方ガイド
11.BTO購入へ向けた最終判断:どの構成を選ぶか
用途別に、BTOでの注文時に想定すべき構成を整理します。
- 1TB構成:一般作業やゲーム数本。完成データは外付けやクラウドへ逃がす運用が前提。
- 2TB構成:ゲーム、生成AI、4K編集、3DCGの標準。クリエイターPCで最もバランスがよく後悔しにくい。
- 4TB・複数SSD構成:大量のAIモデル、素材、キャッシュを扱う本格派。2TB+4TBなど、役割を分ける運用も推奨。
12.まとめ
SSD容量は、現在のデータ量だけでなく、今後保存するゲーム、AIモデル、映像素材、キャッシュまで考えて選ぶ必要があります。判断の目安は次のとおりです。
- 一般作業や軽いゲームなら1TB
- ゲーム、生成AI、動画、3DCGなら2TB
- 大量のモデルや素材を保存するなら4TB
- 業務用映像や大規模データなら8TB以上
- 本格的な制作環境では複数SSD構成も検討
迷った場合、クリエイター用途では2TBを基準にするのが現実的です。SSDは容量が不足してから交換することもできますが、モデルや素材の移動、OSの再設定、M.2スロットの制約などを考えると、購入時に余裕を持たせる価値があります。GPUやメモリだけでなく、ストレージ容量まで含めてPC全体の構成を判断してください。